人気ブログランキング | 話題のタグを見る

6月15日に行われた「寺子屋セミナー」

先日行われた寺子屋セミナーのレポートです。
日曜の午後ですが、約70名の皆さんにお集りいただきました。

葬儀に於ける宗教的な役割を考えようというセミナーです。

まず大学にも出講しておられる講師さんに葬儀の歴史、変遷、そして行う意味を講義していただきました。

「地域のしきたり」を重んじるから「社会的な儀礼」として、

そして「個性化(個人とのお別れ)」を重んじる傾向が増えているのは間違いなく、この「個性化」の中に直葬(無宗教)が含まれているようです。

メディア情報は過多で、しかも事実とは違う場合もあり惑わされていることもありますが、一握りの宗教家の倫理観のない経済観念も無宗教葬儀の増加に繋がっているのは間違いないと思われます。


その後ディスカッションが行われコーディネーターからの質問に僧侶、葬儀社、各々の立場から意見交換され、また参加者からのご質問を受ける時間も取らせていただきました。

コーディネーターから聞き慣れない言葉が・・「グリーフワーク」です。 直訳すれば「悲しみの作業」となります。

家族、親しい人と死別する体験、此処に居るべき人と今生の別れを遂げ、新たな人生を送らねばという悲嘆は最も深く大きな悲しみであると思います。

ここから如何にして立ち直るまでの「心のケア」のことが「グリーフワーク」でしょうか。

亡き人は仏さまになりました・・と言っても直ぐに受け入れることはできないでしょうね・・当然です。

大切な人との別れは「何のために生きているのか」「死んだらどうなるのか」という人生そのものについて考える契機となることが多く、

釈尊が説かれた「すべてのものは常に移り変わり、同じところに止まらない」という「諸行無常」の道理を知るご縁ともなります。

この無常の現実に真正面から向き合わなければならない場面が葬儀ともいえ、自分自身の「死」への不安も呼び起こされます。

その時に阿弥陀如来の法(みのり)を聞くことによって「浄土に生まれ、後に残った者を導く仏となり、そしてまた会える」ということに気づかされる時が必ずやってきます。

悲しみに寄り添い、そのことをしっかりと伝えることが僧侶の務めであり「グリーフワーク」と再認識させられたことです。

ただし伝統だけではなく、時代に即応した新しい伝え方ができる仏事を作り上げることも大切ではないかと・・・034.gif

これも「応病与薬」でしょうか・・・

6月15日に行われた「寺子屋セミナー」_f0350004_14521784.jpg
この度のセミナーにご参加いただきましたご門徒様、そしてご協力いただきました講師さん各位には大変お世話になりました。

有難うございました。



Commented at 2014-06-19 09:15 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by shojutemple at 2014-06-19 14:05
お世話になりました。振り返るとまだまだ伝えきれてないことも有ったように思います。
by shojutemple | 2014-06-18 00:32 | Comments(2)